980円の腕時計を腕時計の最高峰足らしめる10の理由

タイトルは釣りですごめんなさい。

最近の腕時計って、やたら多機能だったりするじゃないですか。ストップウォッチ、タイマー、バックライト、生活防水とかは当たり前で、やれ世界時計だ、自家発電だ、ソーラー発電だ、電波時計だ、更に上位のモデルになると、専用の機能が色々ごちゃごちゃ付いてきます。かくいう僕も、耐ショック、自家発電、ソーラー発電、電波時計と、一通りの機能は試してきました。そうした、高機能な時計を好んで使って来ました。

が、どうでしょう。果たしてその機能をきちんと使いこなしていたんでしょうか。使いこなしていたというか、それは本当に必要な機能だったんでしょうかね。確かに自家発電やソーラー発電は、電池交換の心配が無く、エコで素晴らしい機能ですよね。でも、結局はその発電された電気を貯めておく充電池が年々劣化していくわけで、未来永劫、電池交換なしで使える、というわけではないです。いつか充電池を交換する必要があるんですよね。また、電波時計にしても、毎日勝手に正確な時刻に合わせてくれるのは便利なんですけど、電池残量が減って電圧が落ちてくると、なかなか電波を受信してくれなくなったりします。その為、いつも窓際に置いておくなどしなければならず、毎度帰宅して机の上にほっぽり出しておきたい僕には(単にずぼらなだけ)、わざわざ窓際に置いて電波を受信させねばならないのは面倒でした。

もう一度問います。果たしてそんな高機能な時計は、僕には必要でしたか?

答えは「否」です。必要な機能なんて、ある程度正確に時刻を知ることが出来て、バレーボールの審判をすることがあるのでストップウォッチが付いていて(ラップタイムとかは必要ない)、夜間自転車で帰宅する時の為にバックライトが点いて、欲を言えばアラームが鳴って目覚まし時計代わりに使える。それだけあれば、必要にして十分なんです。

というわけで買ったのが、CASIO の腕時計、A158WA-1JF と、F-84W-1 と、F-28W-1 です。いずれも Amazon で 980 円でした(笑)3つも買ってしまったのは理由があって、まずフォーマルとカジュアルで使い分ける為に、メタルバンドの A158WA-1JF とラバーバンドの F-28W-1 を買ったんです。が、ものが届いてから気付いたんですけど、F-28W-1 にはストップウォッチ機能が付いていなかったんですね。バレーボールの審判をする時にはラバーバンドの方を着けたかったので、これは困ったなと思ったのですが、調べてみたらちゃんと A158WA-1JF のラバーバンド版である F-84W-1 が存在しました。僕が買うべきはこっちだった、何やってんだ!と憤慨しつつ、ま、高いもんじゃないしね、ということで即日ポチっとしてしまった、というわけです。

正直なところ、昨今では時計って時刻を知るための道具というより、ファッションとしての側面が強いと思います。時間を知るだけなら、街のいたる所に時計はあるし、いまや誰もが持っているであろう携帯電話やスマートフォンにも時計はついています。それをあえて腕時計をするというのは、やはり「ステータス」としての側面が強いのだと思うですよね。そういう意味では、今回僕が買った時計たちは「ステータス」にはならないのかもしれません(笑)980円だし、見た目も値段相応、薄っぺらで、小さくて、下手すると子どものおもちゃのようですし。

でも僕は、これらをとても気に入ってしまったのですよ。電波時計では無いけれど、時刻のずれなどほんのわずかです。電池寿命だって7年とか持つみたいです。日常生活防水なので、手を洗ったりする時も何も気にすることはありません。ただ、液晶は小さいので目の悪い人には厳しいでしょう、バックライトは申し訳程度、カレンダーも月が表示できないとか、ボタンが誤って押され易く、気付いたらストップウォッチモードになっていたりします。しかしなんというか、そういうところが可愛いじゃないですか。愛おしいじゃないですか。正直、初めて手にした時はあまりのチープさに「うわぁこれはいくら何でも」と思いましたよ(苦笑)。でも、大したことはできないけれど、ただただシンプルに、淡々と、時を刻み続ける。たまに合わせてあげなきゃいけないけれど、ほぼ正確な時刻を教えてくれる。

かつてこれらの時計が発売された時は、きっと高級腕時計だったんじゃないですかね。小学生の頃、両親に買ってもらったか親戚に貰ったか忘れましたけど、始めて自分のものになった腕時計にストップウォッチの機能が付いていて、嬉しくて嬉しくて自宅の廊下を端から端まで走ってタイムをはかったことを思い出します(3秒くらいでゴールしちゃうんですが)。時代は流れて、前述したようにあれこれ「高機能」であることが当たり前になってしまいましたけど、「腕時計」というものの役目を考えてみれば、必要にして十分な機能を持つこれらの時計が、980円という破格値で替えてしまうこの時代って、素晴らしいなぁなどと思ったりするのでした。

ちなみにこれらの腕時計、Amazon で980円で買えてしまうわけですけど、本来はどれも3,000~4,000円ほどするモデルなのですよ。CASIO としては、980円の時計として作ってるわけではないんです。だから、腕時計としてしっかりしているのも当然ですね。

ブランドウォッチに惹かれる気持ちは今でもありますけど、今はこの「玩具みたいな」腕時計たちを、「あえて」使い続けることに、何か楽しさというか、喜びみたいなものを感じている僕なのでした。

そして以下、写真など。


A158WA-1JF。ストップウォッチ、アラーム、バックライト機能付き。バックライトは申し訳程度、カレンダーは月表示無し。ボタン類が飛び出していて、たびたび誤って押され、気が付くとストップショッチモードになっていることもしばしば。


F-84W-1。機能は A158WA-1JF と同様のラバーバンド版。


F-28W-1。ストップウォッチもアラームもバックライトも無しのシンプル設計。


F-28W-1 は左側にボタン二つ。出っ張ってないので誤操作することは無い。逆に押し難いけど、時刻合わせ以外に使い道が無いのでまったく問題ない。


A158WA-1JF と F-84W-1 比較。こうして並べると姉妹機だということが良く分かる。


F-84W-1 と F-28W-1 比較。ボタン部や、液晶部の月表示が有る無しなどの違いはあれど、ぱっと見ほとんど見分けがつかない。


F-84W-1 と F-28W-1 は実はラバーバンドの意匠が異なっていたりする。微妙な違い。


装着してみたところを並べてみる。ここまで来ると見慣れてそうでも無いかもしれないけれど、実物は相当チープ。着けてみるとそれが更に加速する。特に僕は体が大きいので尚更。